姫路教室で、にんじんそのまま1本を彫る課題をしました。
パーツを切り取って花びらを作り、1枚1枚の花びらが開いたようになり
ます。
接着剤などでくっつけているパーツはありません。
切り取る部分が多いので、切り取ったパーツもお持ち帰りいただき、お料
理に使っていただくようにお願いしました。
カービングの作品をご覧いただく際、「もったいない」とよく言われま
す。
一つは好意的な意味で、「綺麗だから、こんなの食べられない、もったい
ない。」というものと、一つは否定的な意味で、「食べ物を切り刻んで
無駄にして、もったいない。」 というご意見です。
後者の方のご意見を伺うと、とても悲しい気持ちになります。
そのような時は、「切り取った部分も捨てずに料理していただいてい
ます。」と申し上げます。
もったいないという考えは、日本の、ものを大切にする考えだと思い
ます。
東南アジアの方とお話すると、「野菜は安い。いくらでもある。」とい
うご意見を伺います。気候の熱い国は、植物は放っておいてても育つ、
というお気持ちがあるようです。米も1年に何毛作もできるくらいです。
気候が熱い国では、食べ物は傷みやすく、傷んだものを食べるより処分
した方がいい。日本人よりも食べ物を廃棄することに躊躇が少ないよう
に感じます。
野菜や果物のカービングが東南アジアの国で発達したのもそういう土地
的な背景があるのかもしれないと思います。
さて、私はレッスンの際、いつも野菜を皮むきした状態で、皆さんに
お渡しして細工を始めます。
ということで、 今回は皮むきした部分だけでも大量にありましたので、
持ち帰ってシチューにしています。