大田忠道さん、「黄綬褒章」受章記念クルーズ ルミナス神戸2にて -2004.11.24- |
大田忠道さん、「黄綬褒章」受章記念クルーズ |
料理の鉄人「天地の会」会長、神戸マイスター日本料理教授、兵庫県日本調理技能士会会長など多くの公職を兼務され、テレビ出演も多数の大田忠道さんが、黄綬褒章を受章されました。
ルミナス神戸にて、記念のランチクルーズが行われ、カービングのディスプレイの依頼を頂きました。
ご希望は、「ん」の付く野菜を使って、デコレーションケーキのように高く組み立てて、冬瓜は、ライトを入れたいとのことでした。
*「ん」のつく野菜とは、「運の付く」ということばにかかっています。写真の野菜の名前をチェックしてみてください。「とうがん」、「りんご」などです。 |
クルーズのタイトルは、「食筏(しょっかい)兵庫を楽しむ、神戸を味わう」だったので、
メインのかぼちゃに、「食筏」の文字を彫って、その周りの皮を剥いてバラを彫りました。
また、足元の四面に配置した冬瓜のうち2つにそれぞれ、「兵庫を楽しむ」と「神戸を味わう」というサブテーマの文字を彫りました。この冬瓜には、ライトを入れるために中身をくり抜き、時期がクリスマス前だったので、模様は、ヒイラギとベルとリボンにしました。 |
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難しかったのは、どうやって野菜を高く積み上げるかということでした。野菜には、丸みがあるので、積み上げるのには不安定でした。
足元ですが、冬瓜の内側にかぼちゃを1個丸ごと入れて、その上に竹串を刺し、大根を立たせています。かぼちゃの上には、黄色いみかんと赤いピーマンを乗せて、かぼちゃを隠しました。
大根の上は、金時にんじんを「井の字型」に組み、その上の四つ角にりんごを乗せました。そして、その上にメインのかぼちゃを飾っています。
かぼちゃは、上側をフタのようにして切り取り、中身をくり抜いて、その中に一番上の
金時にんじんを3本入れて立てました。組み上げた全ての素材にはカービングを施し、それぞれを竹串で留めつけています。
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今回カービングに使った素材は、大田さんのお店で揃えて頂いたものを使いました。素晴らしいと感じたのは、素材が全て新鮮で、大きさも立派で張りがあり、美しかったことです。作品の仕上がりの美しさは、色やかたちなど、使う素材のコンディションによって左右されることが多いです。今回使わせて頂いた素材は、全て「美人」ばかり。傷や固いところなどもなく、ナイフがスムーズに入っていき、素材の良さを感じながらカービングをしました。依頼を頂いたのが、パーティの2日前で、前日に有馬に打ち合わせに行き、そのまま素材を頂いて帰り、作業をしました。作業時間は、私にとって余裕はありませんでしたが、この作品に取り組んでいる間は、まさに素材と対話ができたような充実した時間でした。このような機会を与えて頂き、嬉しく思います。 |
大田 忠道さんのご紹介
料理の鉄人「天地の会」会長、神戸マイスター日本料理教授、兵庫県日本調理技能士会会長など、多くの公職を兼務。大学、専門学校、高校で講師も勤める。有馬温泉「旅籠」「関所」館主。 |
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