第3回 カービングをした野菜を使ったスペシャルコース料理-2008.10.19-

カービングのレッスンでもお世話になっております、神戸六甲道のお箸のオーダーサロン「ことほぎや」様にて、スペシャルコース料理をお召し上がり頂きました。季節は秋ということで、カービングは「和」をイメージしたモチーフとなりました。 「ことほぎや」様のフレンチのお料理とのコラボレーションです。(※画像はカービングを加えた料理のみをご紹介しています。)

カボチャとにんじんのもみじ
(料理名:キノコのクレープ包みポルト酒ソース)

カボチャを3個使ったのですが、それぞれの玉で果肉と皮の色が違っていました。その為に1枚1枚の表情が微妙に違って面白い仕上がりになりました。かぼちゃは、わざと緑の皮を残してカービングをしているものがあります。

にんじんのトンボとカボチャの銀杏の葉
(カボチャのクリームポタージュ)

にんじんのトンボは、にんじんを薄くスライスして切り込みを入れて作るのですが、立体的にする為に前側を持ち上げて作っています。事前に準備するとにんじんが硬くなって折れてしまい、立体的にすることが出来なくなるので、お客様がいらっしゃる直前にカービングをしました。お皿に添えたのは、かぼちゃをカービングした銀杏の葉っぱですが、普段はもっと軸を細くしたり、  葉の曲線をもっときつくして、くびれを作るのですが、火を通すと折れやすくなることと、召し上がって頂くときにボリュームがある方がよいので、少し太いイメージの形にしています。

にんじんの小花2種
(サンマとアサリのリゾット)

にんじんで作ったシンプルな5枚の花びらの花と、少し複雑なウェーブの入った花をカービングしました。今回は、かぼちゃやさつまいも等の硬い素材が多く、塊を切り分けるだけでも時間がかかったのですが、こちらの小さい花は、にんじん1本をそのまま持って、カービングナイフだけで細工ができるので、リズム良く仕上げていくことが出来ました。

大根とにんじんのバラ、きゅうりの葉っぱ2種
(サーモンと野菜のジェノペーゼソース入り、じゃがいものパイ包み)

今回のメイン料理です。こちらのお皿は、1辺が30cmほどある大きなもので、大変存在感がありました。大根とにんじんはさっとボイルするので、火が入った後に花びらがしんなりしないように、通常のカービングより厚めにしています。バラの花は花びらの先が破れるくらい薄くカットして作るとリアルな感じが出るのですが、今回は花びらの先を1mm残すか残さないかくらいに留め、原型が崩れないようにしました。

さつまいもの菊と葉っぱ
(鳴門金時のチョコレートムース)

さつまいもを丸くカットして、上の表面に文様のような菊のモチーフをカービングしました。サツマイモを使ったデザートになると決まったとき、火を入れて崩れず、またある程度食べ応えのある形でと考えたのが、こちらのデザインです。花びらを細く長い形にカービングすることも可能ですが、口当たりを考慮すると、こちらのような“細工しすぎない形”が良いと思いました。