第7回 カービングをした野菜を使ったスペシャルコース料理 -2014.6.1-

カービングした野菜や果物を料理して召し上がっていただく料理会の、オードブルのお皿のカービングです。 事前の打ち合わせの為に、カービングの試作を持って、小松ダイニング様に伺った際、このデザインを小松シェフが見て、「門のようだね。オードブルのお皿に、お客様をおもてなしするスタートとして、このデザイン、始まりの門のようでいいんじゃない?」とおっしゃっていただきました。 黄色の丸いものは、鈴かぼちゃで、生食が可能な直径10cm程の小ぶりなかぼちゃです。オレンジのハートはにんじん、かぼちゃとにんじんを繋いでいる白い輪は、大根です。

かぼちゃのゲート、にんじんのハートを吊るして:オードブル

 今回、材料の下見に行った時、「鈴かぼちゃ」という、生で食べられるかぼちゃが売られていました。始めて見るものでしたので、試作にひとつ買って帰り、お店に置いてあったレシピのように、皮が付いたまま1cm角のサイコロくらいの大きさに切ってみました。生のまま食べて見ると、きゅうりのような食感でパリパリと食べられましたので、このかぼちゃの特性を活かして生で使うデザインを考えました。
 オレンジのハートはにんじん、かぼちゃとにんじんを繋いでいる白い輪は、大根です。試作の時は、2つしか作らなかったので、それほど作るのに時間がかからなかったのですが、実際には20人分(プラス味見用と破損用)!
 それぞれのパーツをセットするのに手間取ってしまい、当初見込んでいたよりかなり時間がかかりました。

ペコロスのハスの花とプチトマトのウィング:スープ

 オードブルのかぼちゃのゲートが、「ウェディングっぽいね。丁度6月だし、ジューンブライドな感じかな?」と小松シェフがおっしゃったので、スープに使ったペコロスカービングしたハスの花を天使のように見立てて、トマトで羽を付けてみました。
 準備中のカービングが並んだ写真が面白いのですが、なかなか準備中に写真を撮っている時間がないのが残念です。こちらのスープに使ったトマトのウィングの写真は撮影できました。

にんじんのマーガレットとモロッコいんげんの葉っぱ:魚のお皿

 にんじんをカービングしたマーガレットは、カービングの課題としてはシンプルな花ですが、料理に使えば十分綺麗だと思います。
 シンプルなデザインほど調理に適していると思うので、私は基礎的な課題が好きです。モロッコいんげんは初めてカービングしましたが、果肉の膨らみに合わせて切り込みを入れて葉っぱのようなデザインにしました。
 写真では小さく見えますが、長さが12cmほどありました。実際のお皿では存在感がありましたので、お皿もシンプルなものにしていただいて、余白に何か散らすのも控えました。

じゃがいもの蘭とズッキーニの葉っぱ:お肉のお皿

 丁度レッスンで、蘭をしていたので、今回はじゃがいもで蘭をカービングすることにしました。事前の打ち合わせの際に、このじゃがいもの蘭をどう調理するか考えていたとき、茹でるか蒸すかしたら、カービングしたままの姿で綺麗に仕上がったのですが、油で揚げてみた試作のほうが食べるとおいしいとのことで、多数決で揚げることになりました。見た目には、揚げると茶っぽくなり瑞々しさがなくなりますが、じゃがいもの味は濃くなってホクホクとした食感になりました。
 ズッキーニは緑と黄色の2色を使って葉っぱを作りました。こちらはブイヨンでさっと火を通していただいたので、お肉と揚げたじゃがいもの付け合わせとしては、あっさりとして美味しくいただきました。

ハネデューメロンのハートのクラウン:デザート

 ハネデューメロンの皮を剥き、皮にハート型のデザインの切り込みを入れ、その皮を折り返して果肉に挟むと、皮が立体的に浮き立ちます。
 中心に残ったハートの外側に立体的に皮が折り込まれた部分もハートの形のようになりました。上側には王冠のように皮が立体的に立っています。
 このデザインは、今回の食事会の為に考えたもので、なかなか良いデザインにできたのではないかと思い、気に入っています。
 今回のカービングは、オードブル、スープ、デザートと、お皿に立たせているデザインが多くなりました。横から写真を撮らなければカービングが見えず、上から写真を撮らなければ、お料理の全体像が見えません。私はカービングを優先しているので、今回は横から撮影した写真になりましたが、これらの写真はお皿の後ろ側が見えません。私は実物を見ているので、これらの写真では、お料理全体の良さをお伝えできていないと感じており、その点が残念に思います。こちらのお皿も、カービングの後ろにメロンの果肉が半円形状に並んでいます。