第5回 カービングをした野菜を使ったスペシャルコース料理-2011.1.30-

にんじんで作った鳥とビーツで作ったハート

小松ダイニング様 店内  昨年もお世話になった、北野のフレンチレストランKomatsu Dining様にご協力を頂きました。今回は、「ビーツづくし」のお料理でお願いできないかとお願いしました。ビーツには、ホウレンソウの根っこのような土臭い独特の風味があり、食べやすい食材ではありません。また、調理の段階で、美しい赤い色が抜け出てしまうことがあります。「カービングを施した野菜の形を崩さず、ビーツの鮮やかな色を保ち、さらに食べやすく」と難しいお願いをしました。
 試作の段階でも、なかなか簡単には決まらず、どうなることかと心配しましたが、経験豊かな小松シェフにより、美味しい料理が完成致しました。
 (下記の料理の後に、苺のフリジエというケーキも付けてくださいました。「女性の参加者が多いので、デザートを充実させて頂きたい。」という私のリクエストを覚えていてくださり、当日ケーキをプラスしてくださったことに感謝しています。)

にんじんの鳥とビーツのハート
(冬野菜のロースト、エキストラバージンオイルバルサミコソース)

 ビーツを使った料理の一番目として、小さなビーツで、前菜のスタートです。にんじんで鳥をカービングし、くちばしにビーツで作ったハートをくわえさせました。プチトマトに挿して、高さをだしました。オーブンから出来たての熱々の冬野菜は、上品なソースの酸味が効いて、素材自体の甘さが、より引き立っていました。

ビーツの星
(ビーツのポタージュスープ、クリームシャンティ)

 ビーツで、先が細く尖った星をカービングしました。中心の一番厚いところでも約5mm。指でつまむと折れそうなくらいの繊細なカービングです。ビーツの真っ赤なスープに、白いクリームのコントラストが美しい一皿でした。ビーツの臭みは全く感じず、濃厚で、「まさにフレンチ!」という逸品でした。

ビーツとジャガイモのハートのコマ
(サーモンのポワレ数種のナッツ添え、ビーツのソース)

 ビーツとジャガイモでそれぞれハートを作り、中央でクロスするように組み合わせ、立体的にしました。カービングしたハートの細工は、オイルをかけて、オーブンで焼いてくださいました。ビーツの臭みが消え、ごぼうのような風味になりました。サーモンは、香ばしいナッツとよく合い、また、こちらのビーツのソースは、本来のビーツ独特の土臭いような風味がほどよく香り、小松シェフの絶妙なさじ加減で、ビーツのクセのある個性も心地よく感じました。

ビーツの中心から作るバラとズッキーニの葉っぱ
(チーズ入り仔牛のローストベーコン巻き)

 ビーツの赤い色が、ふさわしい華やかなバラのカービング。カービングする花の種類は、数ある中で、最も人気のあるのがバラの花。バラのカービングのタイプもいくつかありますが、ゴージャスなタイプのバラをカービングしました。
 カービングする葉っぱは、あまり種類がないので、ある程度カービングを習った方には、目新しいものはありません。しかし、従来のものでは面白くないので、何か新しいデザインができないかと考えました。今年はうさぎ年なので、葉っぱの先の方から見ると、「卯」の文字になるようにカービングしました。
 ビーツは、酢と砂糖で下味を付けた後、数種のスパイスで煮てくださいました。さっぱりとした甘さで、食べ応えのある仔牛のローストとよく合いました。。

ビーツのサイドから作るバラ
(モンブラン、メレンゲとマロングラッセ入り)

 サイドから作るタイプのバラは、通常は、花びらの先を薄くし、根元に厚みをもたせますが、調理する際に、火の通りがムラにならないように、花びらの先に幅を作り、また根元までなるべく一定の厚みになるようにカービングしました。
 バラは、シロップで煮て、花びらの先だけに砂糖で白く飾ってくださいました。モンブランの内側には、メレンゲのクランチが入ったクリームがあり、食感がサクサクとして面白く、皆さんから何が入っているのか、質問がありました。マロンクリームでビーツの味が引き立ち、意外な組み合わせに驚きました。