2011/10/26 水曜日

洪水のアユタヤ観光

Filed under: タイ — mtd @ 0:19:28

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前回のブログに書いたとおり、1995年に訪れた時、アユタヤは洪水

だった為、旅行社からのツアーは出ていなかった様で、観光地には、

ほとんど観光客がいませんでした・・・・

アユタヤは、狭い地域に仏教寺院や遺跡が集中しているので、

洪水ながらも、ガイドブックに載っている主要なところは回ることが

できました。

夕方になってきたので、最後に少し離れたところにある、ワット・プーカオ・

トーンという仏塔に行くことになりました。

すでに辺りは、少し薄暗くなっていました。

上の写真は、ワット・プーカオ・トーンに向かって行く途中に、遠方から姿が

見えてきた時のものです。

周りに建物はなく、湖の中に仏塔が浮かんでいます。

「あそこに行くには、どうすれば????」と思って、国道のような大きな

道から見ていたのですが、友人が近くにいたボートを持っているおじさんに

交渉して、仏塔まで乗せて行ってもらうことになりました。

アユタヤの方は、洪水に慣れているのか、「一家に1ボート」持っているかの

ように、ゴムボートや木のボートが家に備え付けられているのをよく見かけ

ました。私たちを乗せてくださったのも、近くにお住まいの一般の方でした。

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後ろに手漕ぎでボートを漕いでくださっている方と、もう一人の方は、水の中に

入ってボートを仏塔に着けてくださっているところです。

ボートから直接仏塔に上がっているところを、私の友人が写真を撮ってくれ

ました。(当時の写真・・・ファッションが時代を語っていますね。古くて恥ずか

しいですが。笑)

一番上の写真の通り、道から仏塔までは、結構な距離がありました。

仏塔から帰るころには、すっかり暗くなっていました。

ゆったりと進む、手漕ぎのオールの木が擦れる音と、掻かれる水の音だけが

聞こえていました。

手に取るように近くにまで、覆いかぶさるように頭上に伸びているジャン

グルのような木々。

電灯もなく、真っ暗な中を、強靭な体格のタイ人の男性二人に前後で

ボートを漕いでもらっていて、友人と3人でいるとはいえ、暗いという

恐怖と、このままどこかに連れて行かれてしまったらという無用な恐怖も

感じながら・・・・水面には月が映って、幻想的で、異国情緒たっぷりの

印象的な思い出として強く心に残りました。

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↑こちらは、往路に仏塔に近づいた時に撮った写真です。

復路は暗くなっていたので、肉眼では景色は見えたのですが、

美しかった水面を含めた風景は、写真に撮るのは無理でした。

このように、ワット・プーカオ・トーンは、私にとって特別な思い入れのある

仏塔になり、その後アユタヤを訪れた時も、必ず訪れたい仏塔となりました。

そして、数年後、訪れたのですが、私の知っているワット・プーカオ・

トーンがないのです。

遺跡群から少し離れた場所にあるので、トゥクトゥクというオート3輪に

乗って行ったとき、私の記憶とは違うところに向かっているのです。

運転手に、何度も「ワット・プーカオ・トーンよ?」と聞いたのですが、

そうだと言うのです。

着いたところは、田んぼの中に立っている、真っ白でピカピカの仏塔でした。

その時に分かったのですが、私たちが前回訪れた時は、洪水の為に水に

浸かっていたとのことで、通常は田んぼの真ん中に建っているということ。

湖だと思っていたのは、洪水で溜まった水だったのです。

しかも、長年風雨にさらされて損傷が激しかった為に、その後修復され、

真っ白に塗りなおされていました。

表面も凹凸があり、色も黒くなったり、薄い色のところもあったりと、朽ちた

様子が風情があったのに、つるつるピカピカになってしまいました。

今では、修復される以前のワット・プーカオ・トーンの写真は、貴重なものと

なりました。

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